温室効果ガス吸収源及び安定した生態系基盤となる森林の整備や植林活動
カーボンニュートラルに向けては、ライフサイクルアセスメント(LCA)での温室効果ガスの削減が必要となり、廃棄段階でも対応が求められます。サーキュラーエコノミー(循環型経済)の観点からも、資源の有効活用のためにリサイクルや再資源化の重要性が高まっています。
ディーラーは、これまでも各地域社会に対し、社会貢献活動を実施してきた実績があります。
地域内連携による自動車部品などのリサイクル・再資源化
植林、植樹・育樹、森林整備、苗木贈呈などの活動は、温室効果ガスの吸収源を増やす唯一の手段であると共に、地域の生態系基盤を強化し、再生可能エネルギーの創出にもつながり、持続可能な地域社会形成に寄与します。
日本には放置され温室効果ガス吸収力を失った高齢の人工林が多く、それらを木材として住宅などに活用。副産物や残渣を木質バイオマスエネルギーとして活用して多段階で経済価値を高めながら、再造林・植林、間伐など森林の若返りを進め、持続可能な仕組にしていくことが重要です。
林業人口が圧倒的に不足する中においては、住民参画による協力が求められており、顧客世帯との強いつながりを持つディーラーは、住民を巻き込んだ取組の推進に貢献しています。
【自販連山形県支部における事例】
2005年に山形県支部加盟全販社が共同出資し、株式会社山形自動車販売店リサイクルセンターを設立し、解体車のリサイクルを全て一元化しています。
同リサイクルセンターは、店舗リニューアルを機に2021年3月に東根市に「自然エネルギー館」をオープン。太陽光の電力で館内の電力を全て賄い、EVに蓄電する仕組の導入をはじめ、自然エネルギーの活用を啓蒙できる施設として、地元の学生の研修も積極的に受け入れています。
床マットには処理が難しい廃タイヤを再資源化して使用しており、リサイクル部品活用による温室効果ガス削減効果を数字で表示したり、素材再利用によるエコ商品を提案。また、自然エネルギーのみで育てる熱帯植物園も併設しています。
水素エネルギー社会の実現を目指した活動
【トヨタモビリティ富山における事例】
2016年、トヨタモビリティ富山株式会社と北酸株式会社は、今後のエネルギー源として水素が着目され始めたことやトヨタからFCV(ミライ)が発売されたことを機に、両社の主導により一般社団法人 富山水素エネルギー促進協議会を立ち上げた。2018年には一般社団法人化し、産学官金で富山の「水素エネルギー社会」実現を目指して連携していくこととなった。現在71会員が参画。
2020年に「水素ステーションとやま」(富山市上冨居)を開設(経産省の補助金を活用)し運営。年1回の法定点検時には2週間の設備休止が必要なことから、バックアップ機能も兼ねて、2021年には再生可能エネルギー(太陽光)からの電力を用いて製造された水素を供給する「再エネ水素ステーション(H₂OneST)」(富山市栗山)を開設した(環境省補助金活用)。
水素の利活用に関する啓発・広報のため、FCVの展示や企業向けの1日無料レンタル、FCバスやFCフォークリフトの展示、子供向けの燃料電池の学習教室、学校単位での水素ステーション見学受け入れなど様々なイベントを実施。
環境マネジメントシステム(ISO14001)への対応
【岐阜トヨペットにおける事例】
岐阜トヨペット㈱は、2002年3月に本部部門、及び長良店、大垣西店の2店舗の計3か所において、県下で業界初となるISO14001認証を取得。翌年以降、順次認証取得店舗を拡大し、2022年時点で全19店舗中16店舗で認証を取得している。
未取得の店舗も含め全店舗で環境マネジメントシステムに取り組んでおり、地球環境対策、廃棄物対策、省エネ対策(CO₂の削減等)に取り組んでいる。その他、田畑を活用した食育事業や燃料電池自動車や電気自動車を用いた出張授業などを開催し、持続可能な地域社会の構築を目指している。
エコアクション21認証取得への対応
【南九州マツダにおける事例】
㈱南九州マツダは、2012年3月にエコアクション21(以下、EA21)の認証を取得し、以降積極的に環境経営に取り組んでいる。同社は、鹿児島県下に8事業所、熊本県下に8事業所、宮崎県下に10事業所の合計26事業所を構える広域ディーラーであり、全事業所がEA21の対象となっている。
同社は、会社トップである松浦 実 代表取締役社長自らが、「環境経営方針」を内外、特にお客様にも広く宣言することで、従業員にも環境への高い意識を持つことを促し、ベクトルを同じくして行動していくこととしている。